逮捕の語源・由来・初出を調べる


逮捕という言葉をよく耳にする。ただ、逮捕の語源はなにか。

 

逮捕は逮の字も捕の字も、つかまえるという意味がある。

創作とか堅固といった二字熟語にありがちな似た意味を持つ漢字がくっついた言葉だろう。

語源や由来があるほどの特別なものがある言葉ではなさそうである。

 

それで、大体いつの頃から使われていたのかを調べることにした。

Yahoo!知恵袋にも同じような問があり、史記に見られるという回答があった。

私も京都大学人文科学研究所が提供している漢籍リポジトリで「逮捕」を検索したところ、史記以外の多数の漢文古典で逮捕という言葉が使われていることを確認し、おそらく一番古そうなのが史記であることも確認した。

史記の巻57(世家第27)「絳侯周勃」に逮捕の言葉がある。周勃という人は、前漢の初代皇帝劉邦に長く仕え、劉邦の死後は呂氏の粛清に功績があったこともあってさらに重用され、最終的には丞相となるまでに出世した。

周勃は、その後地方に下るが、皇帝から使いが来たときには粛清を恐れて常に武装していたそうである。どう考えても逆効果で、案の定、不審な対応を理由に「反乱の疑いがある」と報告された。

そこで、周勃は逮捕されたそうである。

絳侯勃自畏恐誅,常被甲,令家人持兵以見之。其後人有上書告勃欲反,下廷尉。廷尉下其事長安,逮捕勃治之。

なお、後日弁解ができて、天寿を全うした。全く用心するというのも程度物である。

 


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