令和7年 全国戦没者追悼式 天皇陛下のおことば 雑考

本日、天皇皇后両陛下のご臨席の下、戦後80年目の全国戦没者追悼式が挙行された。

今年は63回目の全国戦没者追悼式でもあった。

ちなみにこれまでの記事はこちら。

令和元年 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年

今年のおことば

まずは引用。

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦においてかけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来80年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

出典 宮内庁HP「主な式典におけるおことば(令和7年)」 令和7年8月17日閲覧

昨年のおことばとの比較

昨年のお言葉

令和6年のおことばは以下の内容だった。

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来79年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。

これからも、戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

出典 宮内庁HP 主な式典におけるおことば(令和6年) 令和7年8月17日閲覧

変更箇所

さて、変更箇所を明確化してみよう。令和6年のおことばが今年は次のように書き直されている。(太字が変更箇所)

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦においてかけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来7980年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。(改行削除)これからも、戦中・戦後の苦難を今後とも語り継ぎ、私たち皆で心を合わせ、将来にわたって平和と人々の幸せを希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

雑考

(1) 「語り継ぎ」

今年度の最大の変更点。戦中・戦後の苦難を語り継ぐことを願われた。

このお気持ちは、語り継いでいくことが困難になりつつある現状を踏まえてのことだと思う。

(2) 句読点

「さきの大戦において」の後の句読点がなくなった。

これによって「命を失った」に係ることがはっきりした。(「深い悲しみを新たにする」に係るのは明らかにおかしいので、修正の必要があるかは疑問だが・・・)

(3) 改行削除

宮内庁HPの掲載を確認する限り、昨年度までは全4段落だった文章が、全3段落にまとめられている。

ただ実は、宮内庁HPに掲載されている仮の英訳では4段落になっている。

意図をはかりかねるものの、まとめても違和感はない。

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