令和4年 全国戦没者追悼式 天皇陛下のおことば 雑考


本日、天皇皇后両陛下のご臨席の下、戦後77年目の全国戦没者追悼式が挙行された。

今年は60回目の全国戦没者追悼式でもあった。

ちなみにこれまでの記事はこちら。

令和元年 令和2年 令和3年

今年のおことば

まずは引用。

本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来77年、人々のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります。

私たちは今、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による様々な困難に直面していますが、私たち皆が心を一つにし、力を合わせてこの難しい状況を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。

ここに、戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

出典 宮内庁HP 主な式典におけるおことば(令和4年) 令和4年8月15日閲覧

昨年のおことばとの比較

昨年のお言葉

令和3年のおことばは以下の内容だった。

本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来76年,人々のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき,誠に感慨深いものがあります。

私たちは今,新型コロナウイルス感染症の厳しい感染状況による新たな試練に直面していますが,私たち皆がなお一層心を一つにし,力を合わせてこの困難を乗り越え,今後とも,人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。

ここに,戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,過去を顧み,深い反省の上に立って,再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,全国民と共に,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

出典 宮内庁HP 主な式典におけるおことば(令和3年) 令和3年8月15日閲覧

変更箇所

さて、変更箇所を明確化してみよう。令和3年のおことばが今年は次のように書き直されている。(太字が変更箇所)

本日,「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり,全国戦没者追悼式に臨み,さきの大戦において,かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い,深い悲しみを新たにいたします。

終戦以来76年77年,人々のたゆみない努力により,今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが,多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき,誠に感慨深いものがあります。

私たちは今,新型コロナウイルス感染症の厳しい感染状況による新たな試練様々な困難に直面していますが,私たち皆がなお一層心を一つにし,力を合わせてこの困難難しい状況を乗り越え,今後とも,人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。

ここに,戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ,過去を顧み,深い反省の上に立って,再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い,戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し,全国民と共に,心から追悼の意を表し,世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

雑考

コロナへの言及

終戦以来何年目かは毎年変わるので、実質的な変更点はコロナに関する言及のみだ。

昨年は「新たな試練」だったものが「様々な困難」という表現に代わっており、より困難の度合いに目星がついたような印象である。

ただ、情勢は楽観を許さず、「なお一層」「難しい状況」への対処が必要であるとの認識のようである。

 

コロナに関する言及のみ変更されていることは何を意味するのだろうか?

コロナに関して言及した機会は、新年でもあったし、全国植樹祭でもあった。

全国戦没者追悼式でも言及せざるを得ないというものでもなさそうだ。

 

おそらく一昨年も、昨年も言及しているので、今年も言及しないとコロナ禍が収まったかのように思われると考えたのではなかろうか。

 

ただ、全国戦没者追悼式でコロナについて言及し続けるのに、やや違和感はぬぐえない。

早めにコロナに特化した国民へのメッセージを出してほしいようにも思う。

 

式典について

例年に比べてちゃきちゃき終わった感じがする。

厚労相と首相のどちらもさっさっと歩くが、なんとなく小物っぽく見えてしまった。

余計な動作も多いし、式典の動き方をもう少し洗練させたほうが見栄えが良いように思う。

 


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