司法修習生のための大分県ガイド(独断と偏見)


司法試験に合格した皆さん、おめでとうございます。そして、これから司法修習に入るみなさん、実のある司法修習になるよう祈念します。

司法修習生に内定した方たちにとって第一の懸案事項は修習先であろうと思います。

積極的に大分を修習地に選んで来られた方は、多くない印象です。

多分謎ですよね。「一体全体、大分に温泉以外何があるんですか?」という疑問は至極もっともです。

私としては大分に折角来てくれたのですから、大分を楽しんで帰ってほしいと思います。

そこで、修習生向けに大分のガイドを書きました。これは独断と偏見で書かれていますし、あまり具体的でもありませんし、さらにいえば大分独自の内容ではない内容も含まれます。その点は予めご容赦ください。

1 大分といえば温泉

まずは温泉ですね。大分を第1希望にしてくれた修習生に「温泉が大好きだから。」という方がいました。

そう。なにはともあれ大分は「おんせん県おおいた」を自称しています。県をあげての取組みです。

日本一の「おんせん県」大分県の観光情報公式サイト

中でも大分県別府市は、源泉数と湧出量が日本一の温泉街です。

別府八湯と呼ばれる8つの温泉地があります。それぞれ固有の特徴がありまして、特にオススメは鉄輪温泉(かんなわおんせん)と明礬温泉(みょうばんおんせん)です。

鉄輪温泉は温泉街の情緒が一番良く醸し出されていると思います。いわゆる「地獄」と呼ばれる「観る温泉」も鉄輪温泉に集中しています。地獄でオススメしているのはオーソドックスに血の池地獄、海地獄、そして、かわいいワニがたくさんいる山地獄です。

鉄輪温泉ではぜひ地獄蒸しを食べて下さい。お店で食べることもできますが、なんと湧き出る蒸気を用いた釜で自分で調理することもできます。カニとか買って食べるととても美味しいですよ。近くに地場のスーパー、マルショクがありますので、持ち込みOKの釜なら、そこで買うと良いでしょう。

明礬温泉は世界で唯一別府でしか見られない風景が広がっています。湯の花という入浴剤を製造する小屋が立ち並び、湯けむりが立ち上る風景は、別府の明礬温泉だけのものです。

明礬温泉では地獄蒸しプリンを食べましょう。とてもなめらかで美味しいですよ。

その他の別府八湯は下記のリンクも参照してください。

別府八湯ガイド

別府以外にも火山が多いこともあり、大分県内には温泉地が何個もあります。中には炭酸のお湯や、泥湯等もありますので、遠出をする機会があれば行ってみて下さい。

なお県内の移動にはレンタカーがおすすめです。電車やバスは思ったより本数がありません。地方はやっぱり車社会ですね。

2 おいしい食べ物

(1)なんといっても魚

大分県は実は魚がとても美味しい県です。九州と四国をへだてる豊予海峡(豊は豊後国から、予は伊予国から。)あるいは豊後水道は潮の流れが早いため、魚が筋肉質に育ちます。そのため、他の地域とはちがった肉質の魚を味わえます。

中でも有名なのが関アジ関サバです。全国的にも有名です。ただ、「ちょっと高いでしょ……。」とイメージされる魚です。大丈夫。地元では安く食べられます。何なら安くスーパーに出回っていることも不思議ではありません。

関あじ・関さば – 大分市

その他、大分県では通貨と同じくらい出回るカボスという柑橘類がありますけど、この皮を餌に育ったカボスブリ(香りが爽やかです。)が最近のおすすめです。また、イカ、クルマエビ、カレイ等もおすすめです。

もちろん、名の知られたフグも美味しいですよ。フグは下関も有名ですが、大分で食べるフグは大分県でしか食べられないフグです。あんまりいうと差し障りがあるので、どういうことかは修習先の弁護士等に聞いてみましょう。いいですか「大分でしかできないフグの食べ方を教えてくれ。」と言いましょう。これには大分県弁護士会の歴史も関わっているのです。

ただ、修習生だけでフグを食べるのはオススメできません。フグは大分でもそこそこの値段ですし、修習生とのお別れ会等は時期的にフグが出るお店で開かれることが最近の慣例ですので(修習生からはお金を取らないことも慣例です。)、無理して自腹で行く必要はないと思います。ただ、コロナがねぇ……。予断は許せないという修習生は、修習先に「フグ……」と言ってみて下さい。

(2)そして鳥

大きく2つの鳥料理をおすすめします。

1つは唐揚げです。「大分からあげ」ということもありますし、盛んな地域の名称をとって「中津からあげ」ということもあります。

中津は裁判所の支部が置かれている関係で、よく聞く地名になると思いますが、大分の北西、福岡に近い地域です。ちょっと遠いですが、唐揚げを食べに行くだけでも価値がありますし、弁護士事務所も少なくないので、ぜひ訪問候補に挙げてください。なお、「からあげ修習」を計画する弁護士もいらっしゃるとか……。

もう1つはとり天です。鶏肉の天ぷらですね。こちらもおいしいですので、ぜひ試してみて下さい。カラシをつけて食べるのがオススメです。

(3)どこで食べるか

大分の司法修習生は大分市に住む方が多いと思います。そうすると、行動範囲も自ずと大分市になるでしょう。

大分地方裁判所がある大分市中心市街地には大きな道路で隔てられた3つの飲食街があります。

1つは都町。都町は、夜に栄える、ちょっと大人の街です。コロナ禍で大変ですが、以前は歩けば必ずどこかで弁護士に会っていました。夜の街で挨拶すれば「おう、ついてくるか?」となる可能性も高いので、次の日の予定なども考慮して逃げ回るか、ついて回るか考えましょう。待ち合わせによく使うのはジャングル公園です。

次に竹町商店街。大分では「ガレリア竹町」と呼ばれています。リーズナブルなチェーン店から、昔からある食堂まで幅広く揃っています。どちらかというと大衆の街の活気があります。(ちなみにですが、残念ながら別府市の商店街は活気がどんどん落ちてしまっています……。)待ち合わせ場所は吉野家の前か、若草公園がよく使われます。

最後に府内町。都町と竹町の中間ぐらいの雰囲気の地域。飲み屋もあれば食堂もあります。なんとなくですが隠れ家的なお店が多いです。時間帯によっては歩行者天国になり、音楽祭なども開催されています。トキハという大分県随一の地方百貨店がある地域でもあります。待ち合わせ場所はアクアパークが多いです。

これらの3地域にそれぞれオススメのお店はありますが、実際に行ってみて探すのが一番いいでしょう。弁護修習に行っている修習生に頼んで、弁護士から情報収集してもらうのもありですよ。

別府市に住む場合には、別府駅付近に食べ物屋さんが多いです。ただ、美味しいお店はやっぱり紹介してもらったほうがいいでしょうね。

3 その他の観光地

(1)文化観光地

大分県には有名な文化観光地も点在しています。

まずは宇佐市。こちらには全国の八幡神社の総本山である宇佐神宮があります。日本史で宇佐八幡宮神託事件という事件があったことを知っている人もいるでしょう。その舞台です。

次に国東市。ここは修験道の有名な舞台であり、仏の里とも呼ばれています。あちらこちらに立つ石仏、奇祭ケベス祭が開かれるなど、大分の中でもかなり特殊な雰囲気の地域です。溜池の風景が世界農業遺産にも選ばれています。

また大分は大友宗麟の庇護でキリスト教の文化も早くから根付いていました。大分県庁前の遊歩公園には石碑等も立っており、いわゆる南蛮文化として紹介されています。

その他、大分市内には大分市美術館大分県立美術館があります。常設展示も面白いのでぜひ見てみて下さい。個人的には大分市美術館のほうが好きですけど、アクセスしやすいのは大分県立美術館です。

大分市美術館へ蜷川実花「虚構と現実の間に」展を観にいった感想

(過去、大分市立美術館の特別展を観た時の感想です。)

(2)動物園・水族館

大分県の動物園といえば九州最大のサファリパークアフリカンサファリです。なるべく野生に近い状態で飼育されている動物をバスで回りながら観察できます。生肉をライオンに直にやれるなど、迫力すごいですよ。ちょっと遠いですけどね。

あと、大分市と別府市の境界近くにある水族館うみたまご高崎山自然動物園は近くておすすめです。うみたまごはまぁ普通の水族館です。高崎山のほうが珍しいと思います。野生の猿を餌付けしていて、生態を職員さん達が面白おかしく解説してくれます。ちなみに職員さん達は猿の顔を見分けられるそうです。すごいですね。

なお、高崎山の猿の群れの動向や、猿に赤ちゃんが生まれて、名前をどうするかなどは、大分県民にとっての注目ニュースでもあります。(ただ猿が好きというだけでなく、農作物を荒らすという切実な問題意識も含まれていることは申し添えます。)県民との世間話に出てくるかもしれないのでニュースをチェックしておきましょう。

もう少し遠出できるなら、津久見市にあるつくみイルカ島をおすすめします。イルカと触れ合えるスポットです。

あと、津久見市や佐伯市はまた魚介が美味しんだな。海鮮丼がオススメです。あと佐伯海の市場の寿司バイキングも楽しいでしょうね。調子に乗ると、値段はそこそこしちゃいます。

(3)祭り

ケベス祭りの話はしましたが、あと夏には大分市で大分七夕まつり、別府市では別府温泉祭りといった地域の大きな祭りがあります。

大分市や別府市内の神社で祭りが開かれることも多いですので、スケジュールを確認すると楽しいと思います。

あと、クリスマスの時期は別府でクリスマスファンタジアという花火大会が開かれます。コロナで中止になってなければオススメです。めちゃくちゃ混みますから公共交通機関で行きましょう。

4 弁護修習での見所

(1)大分県弁護士会の活動

大分県弁護士会では「ふくろん」というマスコットキャラクターを推しています。Twitter上でも人気があるようですね。法律相談センター(弁護士会の委員会の一つです。)に所属している先生方が普及に努めています。

また、子どもの権利委員会では「ふくろん先生のなやみ相談」という名称で、子ども向けLINE相談会を開催しています。LINE相談は担当者が各自のLINEで夕方から夜間にかけてやっているそうなので、あんまり見る機会がないレアな活動かもしれませんね。

修習生に役立ちそうな委員会といえば、刑事弁護委員会、子どもの権利委員会、高齢者・障がい者委員会、人権擁護委員会かなと思います。あと興味に応じて、法教育委員会、憲法委員会、すべての性の平等に関する委員会などに参加してみると良いと思います。

ちなみに、修習生の皆さんは、修習先の弁護士が所属していない委員会でも、出席できるよう取り計らってもらえると思いますので、気にせず見てみたい委員会があれば希望を言いましょう。(自分に向いてなさそうな委員会でも、「ああやっぱり自分には向いてないな。」とわかることは一つの研鑽です。)

なお、刑事弁護に関して、大分県弁護士会は、当番弁護士制度を全国に先駆けて設置したことを非常に誇りに思っています。どうも他県で「いやいやウチの方が早いの」と言っている県もあるようで、そのあたりを探り始めると戦争になります。

(2)弁護団活動

大分県では、弁護士会の活動としてではなく、有志の弁護士が自発的に結成・加入する通称「弁護団」活動が盛んです。全国の弁護団の一端を担う場合もあります。

例えば、ハンセン病家族訴訟弁護団は、ハンセン病によって差別を受けてきた患者本人のみならず、その家族の苦しみも法的に対処すべきだと主張して、活動を行っています。

その他にも、B型肝炎訴訟の大分弁護団は集団予防接種の注射器の回し打ちでB型肝炎に感染させた被害者とともに、全国の弁護団と連携して、国に対し損害賠償請求をしています。

伊方原発運転差し止め弁護団は愛媛県にある四国電力伊方原発の運転差し止めを目指して活動している県内最大の原告数を誇る弁護団です。

この他にも多数の弁護団があります。なお、弁護団の正式名称はそれぞれ別途あるような気がしますので、通称ということで勘弁して下さい。

弁護団活動についても、興味がなくても一度は見ておくと良いと思います。というのも、「こういう弁護士もいるのね。」と知るだけでも学びになるはずです。

ちなみにですが、大分県内の多数の弁護団が一堂に会するイベントがあります。合同弁護団合宿といい、各弁護団の活動報告や簡単な会議が行われます。

コロナで2年連続取りやめになってしまいましたが、例年、修習生も招待される伝統です。費用負担もありません。送迎付きです。また、修習生に対して何か活動させたり、参加を強制することもありません。

ごめんなさい1つだけありました。懇親会のときに自己紹介をしてもらうのは半強制です。

一次会のあとも夜遅くまで飲み会が続きますが、別に途中で寝たって誰も怒りはしません。

大分県弁護士会のレジェンドと目されている弁護士達も参加します。不思議とこのレジェンドたち自慢話をしませんし、「話に付き合わなきゃ」と気を張る必要もない方ばかりだと思います。

ただ、いつも何かしら心に残る話をしてくれます。

(3)同好会・部活動

大分県の弁護士が弁護士の活動とは別に、有志で結成している部活動があります。

野球部、フットサル部、ゴルフ部、登山部あたりが有名どころです。また読書会というのもあります。

この他にも、あまり表に出ずに活動している部活動があるようですね。特にサブカル趣味をお持ちの修習生は何かに招待されるかもしれません。

5 まとめ

いかがでしたでしょうか。私一人で書いているので、だいぶ偏った大分修習ガイドになってしまったように思います。

実際の大分修習はもっと楽しく、もっと色々なことを知ることができる、有意義なものにできるはずです。

私のガイドが修習を1歩進めるたったそれだけの足がかりになり、皆さんが実務修習の終わりに「大分から集合修習に戻るのが嫌だ!」と思ってくれるようになったとしたら、これ以上嬉しいことはありません。


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