読書メモ 『幻の本土上陸作戦 オリンピック作戦の全貌』NHK「果てなき殲滅戦」取材班、中津海法寛


以前、NHKで観たことがあったような気はしたが忘れていた。

改めて『幻の本土上陸作戦 オリンピック作戦の全貌』を読んだ。

 

実際には生じなかった地獄のお話。第二次世界大戦で日本が降伏しなければアメリカ軍を中心とした大規模な連合軍が九州と関東に上陸する予定だった。その全体作戦はダウンフォール作戦(殲滅作戦)と呼ばれ、九州方面の作戦はオリンピック作戦と呼ばれていた。

NHKの取材班はアメリカの公文書館の資料を中心に作戦全体を調査し、本土決戦前の事前空爆や戦闘訓練(集団自決の練習を含む。)の犠牲者達に取材を重ねる。戦後60年という取材可能なギリギリの時代に行われたことが随所で感じられた。

徹底抗戦の構えを崩さない日本に対し、「日本に一般市民はいない。」というアメリカは、禁断の毒ガス攻撃、連続原爆投下、戦闘員特別できない一般市民も対象とする殲滅戦を検討する。

 

なんとも恐ろしい話だ。日本という国は亡くなる寸前だったのだと思い知る。

私達は戦争だけは絶対に避けなければならないという強い決意で智恵を働かせなければならないのだ。本当に。


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