短答式試験問題集[ハンムラビ法典]
[ハンムラビ法典]
[第1問](配点:3)
商人甲から行商を委託された行商人乙に関する次のアからウまでの各記述について、正しい場合には1を、誤っているも場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.1]から[No.3])
ア.乙が、甲から行商前に銀を受け取っていたにもかかわらず、その行商先で甲に対し不正な行為をした場合、乙は、甲に、受け取った量の2倍の銀を渡す義務を負う。[No.1]
イ.乙が、行商先まで移動する最中に、甲から委託された商品を盗賊に奪われた場合、乙は、神に宣誓すれば、身柄が釈放される。[No.2]
ウ.乙が、甲から出資金を受け取った後、甲との信頼関係が破壊された場合、乙は同額の出資金を返還して契約を解除できる。[No.3]
正答
[No.1]2 誤り。事前に受け取った銀の量を返済すればよい。(第102条)
[No.2]1 正しい。(第103条)
[No.3]2 誤り。解約する場合は出資の3倍の解約料が必要。(第106条)
[第2問](配点:3)
居酒屋を経営する女主人甲に関する次のアからウまでの各記述について、正しい場合には1を、誤っているも場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.4]から[No.6])
ア.甲が、客が払った代金に応じた所定の量の酒を渡さなかったことが確認できた場合、甲は河に投げ込まれる。[No.4]
イ.犯罪者が甲の居酒屋を利用していた場合、甲は必ず宮殿に通報しなければならない。[No.5]
ウ.甲がナディトゥム又はエントゥムだった場合、甲は河に投げ込まれる。[No.6]
正答
[No.1]1 正しい。(第108条)
[No.2]2 誤り。犯罪者が集まっている場合には通報義務があるが、単独の犯罪者の利用の場合は規定がない。(第109条参照)
[No.3]2 誤り。ナディトゥム・エントゥムは女の聖職者である。これらの者が居酒屋を経営した場合、火あぶりに処される。(第110条)
[第4問](配点:3)
運送業・倉庫業に関する次のアからウまでの各記述について、正しい場合には1を、誤っているも場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.7]から[No.9])
ア.「運送中に運送人甲が荷物を横領した」と荷主乙が立証した場合、甲は荷物の価額の最大5倍の額を賠償する責任を負う。[No.7]
イ.甲が乙の倉庫に大麦を預けたにもかかわらず、乙がこれを後に否認した場合、甲は預けたことを立証して、預けた大麦の量の5倍を乙に請求することができる。[No.8]
ウ.甲が乙の倉庫に大麦を預けた場合、大麦1グルあたり5シラを年間貯蔵費として、甲は乙に支払う義務を負う。[No.9]
正答
[No.7]1 正しい。(第112条)
[No.8]2 誤り。2倍の大麦である。なお、立証は神前で行う必要がある。(第120条)
[No.9]1 正しい。1グルは約255リットル、5シラは約5リットルなので、年間貯蔵費は預けた穀物の約51分の1。(第121条)
[第5問](配点:3)
債権回収に関連した人の差し押さえに関する次のアからウまでの各記述について、正しい場合には1を、誤っているも場合には2を選びなさい。(解答欄は、アからウの順に[No.10]から[No.12])
ア.債権者が債務者から奴隷を差し押さえた後、その債権の存在を証明できなかった場合、債権者は債務者に対して銀3分の1マナを支払う義務を負う。[No.10]
イ.債権者が債務者から奴隷を差し押さえた後、その奴隷が自然死した場合、債権者はさらに債務者から人を差し押さえることができる。[No.11]
ウ.債権者が債務者から奴隷を差し押さえた後、債権者がその奴隷を虐待して死なせた場合、債権者は銀3分の1マナを支払う義務を負うが、これを債権と相殺することができる。[No.12]
正答
[No.10]1 正しい(第114条)。なお1マナは500g程度の銀。3分の1マナは約20シュケル。奴隷1人の対価も約20シュケルが相場である。
[No.11]2 誤り。差し押さえた人(奴隷)が自然死(「運命により死亡」)した場合は、もはや差し押さえることができない。(第115条)
[No.12]2 誤り。銀3分の1マナを支払う義務を負い、かつ、債権は消滅するので、相殺はできない。(第116条)
[第6問](配点:5)
ハンムラビ王の賛美に関する次の記述中、空欄アからオに入る言葉を、後記の選択肢の中から選びなさい。(解答欄は、アからオの順に[No.13]から[No.17])
「(ハンムラビ王について)潤沢と充満をこの地にみなぎらせる者、[ ア ]のためには、それが何であれ、いかなるものたりといえども完備させたる者、[ イ ]の名誉ある著名な維持者、強力な国王にして[ ウ ]を復旧したる者、[ エ ]の聖域を清浄化する者、4つの方位世界への突撃者、[ オ ]の名を偉大なら占める者。」
1.バビロン 2.ウル 3.エリドゥ 4.ラガシュ
5.東京 6.楽園 7.エルサレム 8.マルドゥク神殿
9.エクールルム神殿 10.アブズ神殿 11.民の幸福 12.法典
13.戦勝 14.ニップール 15.エンリル神殿 16.スーサ
正答
[No.13]アは14(ニップール)
[No.14]イは9(エクールルム神殿) なお、エクールルム神殿とエンリル神殿は同じ神殿を指すが、前者はシュメール語、後者はアッカド語。
[No.15]ウは3(エリドゥ)
[No.16]エは10(アブズ神殿)
[No.17]オは1(バビロン)
以上はハンムラビ法典序文より。
参考文献
佐藤信夫「古代法の翻訳と解釈(2) : ハンムラピ法典の石柱に刻まれた楔形文字全文の原典その翻訳および解釈の方法について」山梨学院大学法学論集、巻 48, p. 259-500, 2001年。
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