国旗損壊罪の適用を狙っている方が不安な方
(相談したい場合でも、当事務所以外の)
弁護士にご相談ください!!
● 自分の行為が国旗損壊罪にならないか?
● 逮捕されたらどうなる?
● 処罰されないためにはどうしたら?
日本政府を批判したい、寄せ書きをしたい、寒いので暖を取りたい、そんなとき日の丸を損壊しようかなと思う方は少なくありません。[1]そのような必要性がなければ国民の選良たる国会議員がこんな法律を作るはずがありません。ですよね?
しかし、2026年7月に成立した国旗損壊処罰法で、犯罪になる可能性があります。[2]こんなものが何よりも成立させたい高市首相の「悲願」でした。涙が出るね。なにしろ多くの忠良なる国民は、日の丸が損壊されるのを見るだけで、不快感を覚えるわけです。最近のトレンドとして、社会から不快感を一掃することは明々白々な正義です。[3] … Continue reading
我々は他人に不快感を与えるくらいなら、人前から消え去るべきなのです。[4]ちなみにですが、私は私に対して「不快です。」と言ってくる個人・集団が死ぬほど不快なので、いつも「死んでほしいな」と思っています。
今回は、このブログをお読みの善良なる市民の皆さんに、うっかり国旗損壊罪を犯してしまわないよう、内容や対処法をわかりやすくご説明します。
注:できたてほやほやの法律です。このブログ記事の内容もほぼほぼ冗談です。どこまで真に受けるかは読み手と私のセンスの同質性によります。
注:本サイトは国旗損壊罪の解説を行うことを目的としています。国旗を損壊してほしいとはこれっぽっちも思っていません。
注:本気で国旗損壊罪について弁護士に相談したい場合には、一般的な弁護士に相談するよりも、憲法訴訟に精通した弁護士に相談したほうが良いと思います。私には相談しないでください。
1 国旗損壊罪の成立条件?
今回制定された国旗損壊罪の条文を見てみましょう。
国旗の損壊等の処罰に関する法律
第二条 人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法により、公然と国旗を損壊し、除去し、又は汚損した者は、二年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。
2 前項の方法に該当するかどうかの判断は、行為の外形、周囲の状況その他の客観的な事情を総合的に勘案して行うものとする。
短い法律です。内容は簡単です。ちなみに次の条文も後に見るので引用しておきます。
第三条 この法律の適用に当たっては、表現の自由その他の日本国憲法の保障する国民の自由と権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
以上を整理すると、(1)国旗を、(2)人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法で、(3)公然と、(4)損壊・除去・汚損する行為に、国旗損壊罪が成立します。(5)ただし、正当な表現の自由に基づくものであれば成立しません。
(1)国旗
国旗損壊罪にいう国旗とは、国旗・国歌法に規定された日の丸と社会通念上認められる有体物を指すとされています(第1条)。
国旗・国歌法には次のように定められています。
公式な国旗(日章旗)は、横と縦の比が2:1であり、縦の長さの5分の3の直径を持つ紅色の丸の中心が白色の旗の中心と一致していなければなりません(国旗・国歌法1条2項、別表1)。

ただし、国旗損壊罪の対象となる日の丸は、公式の寸法や色と完全に一致している必要はありません。第1条には公式の日の丸と「社会通念上認められる」ものと書かれているからです。
つまり、一般人が「あ、これは日の丸だな」と思ったら国旗損壊罪にいう国旗に該当すると考えましょう。
一般の人はどんなものを「日の丸」と認識するでしょうか。
国旗として売られているものは日の丸といってよいでしょう。
例えば棒の先に白いA4用紙を取り付けて赤い丸を書いていれば、これは日の丸といって差し支えないでしょう。
こういう典型的な日の丸にとどまらず、例えば日の丸弁当はどうでしょうか。
長方形のお弁当箱に白米をつめて、真ん中に梅干しを乗せていれば、これは日の丸と認識するのではないでしょうか。
そもそも「白地」や「長方形」という要素は必要でしょうか。
日の丸とは結局、赤丸のことですよね。
ですから、地の色は金色でも日の丸と認識するでしょう。そういう扇子があります。
これは白地でも長方形でもないけれど、国旗に該当しうる例です。
あと、有体物という点も重要です。「電子データではないもの。」という意味で理解するのが一番簡単かと思います。
ただし、日の丸を映したテレビやスマートフォンはどうなるのでしょう。
それらの画面自体は有体物であり、該当しうると思います。
(2)人に著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法
ここでいう人とは、通常の判断能力を有する一般人でしょう。
もっとも、このような基準はあってないようなものです。結局「通常の判断能力って何?」という次なる疑問に襲われていくからです。
法実務上は、裁判官の想像する一般人が、ここでいう「一般人」にあたります。
裁判官の想像する一般人には、次のような特徴があります。
・常に合理的に行動する人
・他人を不快にさせない人
・理路整然と矛盾なく会話ができる人
・捜査機関をはじめとする国家の権威に従順である人
・黙秘権を行使しない人
会話ができないという点を除けば、「飼い主の言う事をよくきく犬」が一番適当なイメージです。
次に問題なのは「著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法」とはなにかです。
国会の法案審議でもこの点について、様々な事例を通して議論されました。
また検討するとして、ここでは自民党の塩崎彰久の発言を引用して回答としましょう。
「それぐらいはいいと考えられるのではないか、という一つの整理だ」
つまり「予測不能」です。「それぐらいはいい」と権力者が認めてくれなければ、様々な損壊態様が「著しく不快」に該当しえます。
(3)公然と
「公然」とは「不特定多数の人に見られる形で」と解釈するのが最も自然でしょう。
人通りの多い路上や、様々な人が参加する集会での損壊パフォーマンスは公然性をみたします。
YoutubeやXといったSNSに、損壊の様子を投稿する行為はどうでしょうか?
普通に考えれば該当しうると思います。
ちなみに国民民主党は政権与党との協議で「損壊する様子をSNSに投稿する行為を処罰の対象外」とすることを合意したと主張しています。
残念ながら、そのように読める文章は法律の条文の中にはありませんので、世迷言です。
実際、自室で国旗を焼却する様子をSNSでライブ配信した場合も国旗損壊罪が成立しうるとされています。
国民民主党の主張は何の成果にもなっていません。
(4)損壊・除去・汚損
損壊とは壊すことです。切ったり、刻んだり、焼いたりすると損壊です。
除去とは設置・掲陽している国旗を物理的に移動させることを指すのでしょう。
ちなみに自己所有の国旗を除去することを日常的には「片付け」といいます。そして、片付けを処罰しないとは書いていません。
汚損とは汚すことです。文字を書く場合も含むと思います。落書きが一番イメージしやすいでしょう。なお、寄せ書きを処罰しないとは書いていません。
(5)正当な表現の自由に基づくもの
国旗損壊罪は正当な表現の自由の行使には適用しないものとされています。
では、国会議員の先生はどのようにそれを考えているのでしょうか。次の引用をご覧ください。
塩崎氏は「その方法以外による方法で政治的な意見表明ができないような状況にあったかどうか、という要素は挙げられる」と説明した。
これに対する別の国会議員の先生の指摘は至極妥当です。
塩村氏は「ほとんどの場合が、『他に手段があるだろう』と言われてアウトになり得ると感じる」と指摘した。
(同記事)
結局のところ、政治的表現の自由を行使する上で国旗を損壊等する行為は全てアウトと考えてよいでしょう。
(6)その他
国旗は「自己の所有物であること」が暗黙の前提になっていると言われることがあります。それは本当でしょうか。
このような意見の理由は、「他人の国旗を損壊した場合には、国旗損壊罪よりも法定刑の思い器物損壊罪が成立する」からというものです。
しかし、例えば国旗除去の例を考えると、他人所有の国旗であっても罪は成立しそうです。
法定刑の軽重を考慮して、国旗損壊罪の要否を検討すべきという主張はわかります。ただ、解釈論の土俵で考えると疑問がないではありません。
まず、国旗損壊罪が守ろうとしている法的利益(保護法益)は「忠良なる臣民の国旗に対する敬慕の念」とでもいえるものです。他方で器物損壊罪は「他人の財産権」です。
両者は別種の法益です。
他人の国旗を損壊することでどちらの保護法益も侵害するのであれば、どちらも成立するという解釈も成り立ちうるでしょう。
2 結局何をしたら国旗損壊罪にあたる?
(1)典型例
不特定多数が行き交う公園の広場で「日本が大嫌い!」と叫びながら、落ちていた犬の糞を国旗になすりつける行為。
これは国旗損壊罪になるでしょう。
刑罰より保護が必要な方のような気もしますが。
(2)政治的パフォーマンスの例
日の丸に大きくバツ印を書いたうえで、余白に「高市政権は総辞職しろ!」と書いて、デモ行進する行為。
国旗の汚損に該当することはいうまでもありませんが、政治的な動機、表現であるため、国旗損壊罪を成立させられるのでしょうか。
させられると思います。
というのも、高市政権退陣は別の方法でも訴えられるからです。日の丸を利用する必然性がないので、処罰対象です。
(3)新しい靴で踏みつける行為
新しい靴で国旗を踏みつける行為は、国旗損壊罪には該当しないと自民党の塩崎は言っています。
ただ、これは自民党の塩崎の個人的見解に過ぎませんので、該当するかもしれないと考えたほうが安心です。
靴の新しさにかかわらず、踏みつけるという行為自体に問題があると考えるのが普通です。
新しい靴で踏みつけられることに肯定的な感想を抱く特殊性癖の持ち主は「通常人」ではありません。
(4)実写映画で日の丸を損壊する行為
実写映画で国旗を損壊するシーンを上映しても国旗損壊罪には該当しないというのが自民党の見解です。
本気にしてはいけません。それで許されるなら、自主制作映画と言い張ればインターネット上の配信が国旗損壊罪に該当することはなくなります。
また、今まさに損壊している最中でも「いやー。映画の撮影中なんですよ。」と言い訳すれば国旗損壊罪に該当しないということにもなりかねません。
結局、国旗損壊罪の成立を骨抜きにしうるわけですから、ひるがえって実写映画での損壊行為もなんだかんだ理屈をつけて処罰するに決まっています。
我が国の社会には自由民主主義が浸透していません。
だからCMで女性が麺をすするだけで「不快な性的表現だ!」というクレームが一定の力を持ってしまうのです。
(5)寄せ書き
自民党は「スポーツ大会の寄せ書き」を日の丸に書き込む行為を不可罰としています。
しかし、例えばですが「高市政権退陣を求めるメッセージの寄せ書き」だとアウトになる可能性があります。
要は寄せ書きという形式をとっても、「日の丸をこんなことに使うなんて!」という不快感を消し去ることはできないのです。
戦前、出征する兵士に渡した寄せ書き入の国旗に不快感を示した新聞投書があったそうです。
(6)奉焼
最期の突撃を敢行する前に国旗を焼いておきたいという人も多いかも知れませんが、最後の一兵になるまで戦わないのは、銃後の国民に不快感を与える場合があります。
(7)その他
日の丸弁当の早食い、国旗を損壊したい人だけのオフ会で国旗を損壊する行為、沿道で配布された日の丸の旗をポイ捨てする行為、要らなくなった国旗をおむつや生ゴミと一緒に公道上のごみステーションに捨てる行為、国旗降納時に国旗を地面につけてしまう行為、等々いくらでも国旗損壊罪の対象は考えられます。
国会審議における議事録、附帯決議といったものは、裁判では参考資料程度にしか用いられません。
こういった法的拘束力のない紙切れで安心してしまった野党(典型的にはチームみらい)は大いに反省するべきです。政治的センスが皆無だからです。
これは歴史が証明しています。
(1925年5月8日東京朝日新聞より)
3 国旗損壊罪で逮捕起訴されたらどうなる?
(1)捜査段階
逮捕される可能性もあります。
逮捕された場合、勾留されて取調べを受ける可能性もあります。
司法警察職員が逮捕した後は48時間以内に検察庁に送られ、そこから24時間以内に勾留請求されます。
勾留は10日間が原則ですが、捜査上の必要性があり、身柄を拘束しなければ逃亡や罪証隠滅のおそれがある場合には、最長10日間、例外的に延長することができます。
この間、接見禁止命令がつく可能性もあるので、そうなると弁護人以外に外部の人と会うことはできないと考えてください。
なお、弁護人が確実につくのは勾留以後ですが、逮捕されたらすぐに「当番弁護士を呼んでください。」と言いましょう。最寄りの弁護士会から弁護士が派遣されて、誰が来てもそれなりにアドバイスしてくれると思います。
確信犯的に国旗損壊罪を犯すことはおすすめしません。刑事手続が行われるだけで生活には大きな影響を与えます。
取調べの対応ですが、基本的には黙秘してください。捜査機関の連中にあなたの政治的主張を聞かせてもしょうがありません。
(2)起訴後
略式起訴も十分ありうるところですが、それを受け入れれば前科持ちになります。
また、事案上、公判請求される可能性も高いでしょう。
(4)有罪判決の場合
2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金です。拘禁刑の場合は執行猶予がつくと思います。初犯ならね。
4 法廷闘争の方針
(1)黙秘
黙秘が一番大事です。
(2)違憲であると主張すること
国旗損壊罪に該当しないという主張はもちろん行うのでしょうが、それと同時に国旗損壊罪自体が日本国憲法に違反しているという主張もするべきです。
多くの憲法学者がこの国旗損壊罪が違憲であるとの見解を展開しています。
ただ、どんなに味方が多くても、裁判所がそれを採用するかどうかはわかりません。正直言って、今の日本の裁判所は政府の意向に反してまで「違憲」という判断を出すことを相当に嫌がります。そのため、国旗損壊罪そのものを違憲にする(法令違憲)判断は出ないと私は思っています。よくて「今回の行為は憲法で保障されているので、国旗損壊罪は適用しない。」といった(適用違憲)判断なのではないかと思います。
最高裁判所というのは憲法の番人でも司法の砦でもありません。彼らは通常人(=常識人)であることを自負しています。したがって、前記したとおり、彼らを表すのに適当なイメージとは、「法的な言葉を発することができる犬」です。
そのため、あえて国旗損壊罪を犯して憲法訴訟に名前を残してやろうなどと考えるのはおすすめしません。それよりも政権交代を実現させて法律を廃案に持ち込むほうが健全です。
5 処罰されないために
(1)今後は国旗に関わるな、家にある国旗は捨てろ。
国旗の扱いによっては処罰されかねないのですから、国旗に関わるべきではありません。
国旗を購入するなどもってのほかです。天皇陛下の一般参賀や行幸時に配布される国旗の小旗を受け取るべきではありません。公安の罠かもしれません。
祝日やイベントで国旗を掲陽するのもよくありません。どこでどう汚れるかわかったものではありません。責任とれますか? 前科つきますよ?
家に国旗があるなら捨てるのが一番安心です。捨て方は誰にも見られないようにこっそりと。
捨てたことの証拠も残らないようにしたほうが良いので、どこかで焼いてしまうのが一番ですね。
国旗を灰にしてしまいましょう。
(2)日の丸の代わりの旗を使う
幸いにも国旗損壊罪の対象は国旗です。国旗でなければ損壊は処罰されません。今のところは。
例えば旭日旗は国旗ではありませんので、どんなに損壊しようと国旗損壊に該当することはありません。

(典型的な旭日旗)
また、抗議活動には日の丸の部分を最大限拡張した旗を使うのはどうでしょう。
これは国旗ではありません。赤旗ですから。

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国旗損壊罪を制定してまで守らなければならない我が国の名誉(笑)について
References
| ↑1 | そのような必要性がなければ国民の選良たる国会議員がこんな法律を作るはずがありません。ですよね? |
|---|---|
| ↑2 | こんなものが何よりも成立させたい高市首相の「悲願」でした。涙が出るね。 |
| ↑3 | 同じように社会には不快なものがたくさんあります。漫画・アニメの表現、ブサ男からの告白行為、ワンナイト後に「やっぱり嫌だった」という気づき、SNSで敬語使えないヤツ、パーカー着てるオッサン、食い方の汚いオバサン。既にこれらの行為の一部も処罰の対象になっています。 |
| ↑4 | ちなみにですが、私は私に対して「不快です。」と言ってくる個人・集団が死ぬほど不快なので、いつも「死んでほしいな」と思っています。 |