御璽偽造、詔書偽造罪の適用が不安な方
(相談したい場合でも、やっぱり当事務所以外に)
ご相談ください!!
● 自分の行動は御璽や詔書の偽造にならないか?
● 逮捕されたらどうなる?
● 処罰されないためにはどうしたら?
偽の詔書で民衆を扇動したい。宅配便の受け取り印に国璽を使いたい。でも自分は天皇でもないし立派なハンコもない。そんなとき偽の詔書や璽を作っちゃえばいいのではって思うことありますよね。
しかし、御璽偽造や詔書偽造は犯罪です。場合によっては無期懲役が科される割と重たい罪になる可能性があります。
内容や対処法を分かりやすく解説しますので、大判の消しゴムや大きなサツマイモを買いに行く前に、御覧ください。
注:御璽偽造、詔書偽造はどんなに理由があれ犯罪です。天皇陛下の真似をしたければ来世に期待しましょう。
注:本サイトは御璽や詔書に関する罪の解説を行うことを目的としています。天皇陛下はお一人で結構です。天に二日はありません。
注:本気で御璽や詔書について弁護士に相談したい場合には、まず御璽や詔書に関する相談を受けているのかどうか、あなたが相談したい弁護士事務所に問い合わせてください。なお普通の弁護士事務所は受け付けていないと思います。
1 何をしたら詔書偽造、御璽偽造になる?
(1)刑法の条文
刑法の条文を見てみましょう。今回は2つあります。
(詔書偽造等)第百五十四条 行使の目的で、御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用して詔書その他の文書を偽造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。2 御璽若しくは国璽を押し又は御名を署した詔書その他の文書を変造した者も、前項と同様とする。(御璽偽造及び不正使用等)第百六十四条 行使の目的で、御璽、国璽又は御名を偽造した者は、二年以上の有期懲役に処する。2 御璽、国璽若しくは御名を不正に使用し、又は偽造した御璽、国璽若しくは御名を使用した者も、前項と同様とする。
(2)関連グッズの解説
御璽(ぎょじ)と申しますは、畏れ多くも畏くも天皇陛下が公的な文書の押印に用いる印章(ハンコ)のことを申します。宮内庁が保管しています。
(御璽の印影。「天皇御璽」と書かれています。)
国璽(こくじ)とは、日本国が公的な文書の押印に用いる印章です。同じく宮内庁が保管しています。
(国璽の印影。「大日本国璽」と書かれています。)
御名(ぎょめい)とは、かけまくもあやにかしこき天皇陛下が、公的な文書に、御自らお書きあそばされたご自身のお名前のことを申します。要は「署名」「サイン」。日常的には「天皇の名」を指すこともありますが、刑法で「御名」は「署名」の意味でしか使いません。
(大日本帝国憲法の原本ですが、右の頁の真ん中に御璽が押されています。その上に「睦仁」とあるのは明治天皇の御名=署名です。)
詔書とは、天皇の国事行為に関連して作成される文書であって、天皇の意思を公示するものに用いられる文書です。現在の我が国では「国会召集の詔書」「衆議院の解散の詔書」等があります。
(昭和41年に行われた衆議院の解散の際の詔書です。「裕仁」は昭和天皇の御名です。)
その他文書とあるのは、天皇名義の文書であって、公的な文書を指します。詔書も含みます。詔書の他には日本国憲法に基づく内閣総理大臣の任命に関する辞令書等です。法律に基づくものもあります。例えば高等裁判所長官は天皇の認証を受けて任命されますが、認証のための文書も当然あります。
ところで、天皇名義の公的な文書の内、何が詔書で、何が詔書でないのかはちょっとよくわからないことがあります。慣例も大いに関係するのでしょう。詔勅という言い方もありますね。
(大磯町郷土資料館より。吉田茂を内閣総理大臣に任命する辞令書です。数次内閣のため、副書も吉田茂です。)
いずれも公的な文書というのがポイントです。(何をもって公的な文書というかはこれまた難しい問題ですが……。)例えば皇居にアマゾンの荷物が届いたとしましょう。たまたま天皇陛下が皇居で一人で留守番していれば、天皇が受取の押印なり署名をすることになりますね。(そうしなければ再配達しなければならない配達員がとても気の毒ではないですか。)このときに押したハンコはおそらく三文判でしょうが、天皇のハンコであることは間違いありません。だからといって、このハンコを「御璽」とはいいません。また、署名も「御名」ではありません。必ずしも「天皇のハンコ=御璽」でも「天皇の署名=御名」でもないのです。
これとは別に、たまたま皇后陛下が皇居で一人で留守番していたとき、天皇宛の荷物がアマゾンから届いたとしましょう。よく下々の民草も、家族が代理で不在の家族の名前を書くことがあると思います。ここでも皇后が天皇の三文判を押したり、「徳仁」などと署名したとしても、これは御璽や御名を用いたことにはなりません。宅配便の受領証というのは公的な文書ではないからです。
ちなみにですが、過去の天皇の詔書を偽造した場合はどうなるのでしょうか。やはり大日本帝国憲法及び日本国憲法の統治以前の詔書については、現代における公文書性がないと思いますので、罪は成立しないと思います。ですので、例えば「後醍醐天皇から私も岸田内閣倒閣の詔勅を賜っていたのだ!」などと後醍醐天皇名義の文書を偽造したとしても、詔書等偽造罪が成立することはないと思います。もっとも他の罪になる可能性はありますし、罪にならなくても行政から保護されるかもしれませんね。
公的な文書である必要があるという点は、後述する裁判例においても大事なポイントです。
(3)関連行為の解説
偽造、変造、行使の目的という言葉を説明します。
偽造と変造という言葉は、前提からちょっと詳しく解説していきます。先に文書偽造を前提に説明します。
まず前提として、詔書等偽造罪は、公文書偽造罪、私文書偽造罪などとともに、文書偽造に関する罪の1つです。文書偽造はどうして処罰されることがあるのでしょうか。文書偽造を処罰することによって、何を守ろうとしているのでしょうか。殺人罪は人の生命を守るためにあります。窃盗罪は人の財産を守るためにあります。そのように罪を定めることによって守ろうとする利益を保護法益と呼びます。
文書偽造に関する罪の保護法益は、第一に、文書の記載が文書の作成者の意思どおりであるという社会一般の信頼とされています。
例えば運転免許証という文書を考えています。運転免許証の一番重要な意味合いは、「この人は自動車を公道上で運転しても良いですよ。」という公安委員会の意思を文書にしているということにあります。文書(免許証)にしてくれているから、会社は従業員が車を運転しても良い人なのか、悪い人なのかを一々公安委員会に問い合わせたり、あるいは公安委員会に説明してもらわなくても済みます。それは公安委員会が作った運転免許証があるということは、公安委員会に運転を許可されているはずだと、社会一般の人が信頼しているという意味でもあります。
ところが、運転免許証を偽造されたらどうでしょう。免許証を見せられた人、先程の例では会社は「この人はちゃんと教習や講習を受けて、きちんと試験に通った人だ。」という信頼をしているのに、実は騙されていることになります。もしこのようなことがはびこってしまうと、「本当に運転免許証をあげたんですか?」と公安委員会に一々問い合わせをしなければならなくなりますよね。それは社会の働きを著しく阻害することになるのです。
詔書偽造でいうと、「ははあ。天皇陛下の詔書があるので、国会は解散するのだな。」と社会一般は思うわけです。思いますよね? え、興味ない? そうですか……。まあ、とにかく詔書を偽造されると、内閣が助言も承認もしていないような解散が行われて国政が混乱する可能性がありますね。また、国が外国に大使を送る時も天皇陛下の御名御璽がある文書をその外国に送りますが、これが偽造されると大使でもなんでもない人が外国で外交活動をしてしまうかもしれません。これまた国政が混乱します。それに、天皇というのは良かれ悪しかれ我が国においては非常に特別な存在で、多くの人間はなんでか知らないけどひれ伏す存在でもあります。例えば天皇陛下の名義で「このマッサージ機を買い、国民みなの肩の凝りがほぐされることを祈ります。今買えばもう一台下賜します。」なんて文書が出てきたら、天皇がマッサージ機を国民に買うよう勧めているのだと信頼して、買わざるを得ないと思う人はいっぱい出てくるでしょう。御名御璽付きの文書は影響力が強い文書ということです。
保護法益から見ると、偽造の意味は明らかになるでしょう。偽造とは、文書の作成者を偽った文書を作成することなのです。文書の作成者のことを作成名義人といい、作成名義人の意思が文書に表れていることを形式的真正といいます。
ちなみに、文書偽造の保護法益には、例外的に、文書の内容が真実であることの信頼もあります。でも、その保護法益を守る文書偽造罪は、虚偽公文書作成罪や虚偽診断書作成罪等の一部の文書に関する罪に限られます。基本的に文書偽造の罪は、文書内容がどうだったかは二の次ということは覚えておいて損はないと思います。これは例えば、天皇陛下が真実、心から「衆議院を解散してぇ。」と思っていたとしても、他人が「衆議院を解散する。」という詔書を作っちゃまずいということです。理解しやすいと思います。
関連して変造というのは、一度出来上がっている他人名義の文書の内容を変えてしまうという行為です。例えば、成績表を渡されて、評価が悪かったので、なんとか上手いこと良い評価に書き換えてしまう。そういう行為が変造に当たります。もっとも、どこをどれだけ変えてしまえば偽造になってしまい、どの程度であれば変造になるのかという区別は非常に難しいです。
なお、文書ではなく印章・署名の偽造も処罰されます。これは文書偽造の保護法益とは若干異なる保護法益なのですが、ここの読者は御璽を偽造してしまった人であって、司法試験を受ける人ではないと思うので、割愛します。ここでは、印章や署名も、その文書の作成者が誰であるかについて信用を生み出すグッズなんだということを理解しておけば十分です。御璽が押してあれば天皇の文書なんだろうな~とみんな信用しますよね。それは御璽に対する信頼なのです。ちなみに、「印章や署名を偽造したということは、文書偽造するつもりだったんだろ!」という意味で、文書偽造罪の未遂罪として、印章署名の偽造罪、行使罪も用意されているという考えもあります。
もう一つ行使の目的という言葉がありましたね。これは偽造変造した文書(あるいは一部の虚偽の文書)を、偽造変造していない文書あるいは内容が正しい文書(つまりは「普通の文書」)として他人に見せる行為をする意思と考えて結構です。裏を返せば、行使の目的がなければ、文書を偽造しようが変造しようが、内容虚偽の文書を書いていようが、罪にはなりません。例えば中学生男子が好きな女の子が自分の名字になったらどうかな、いや自分があの娘の名字になるのもいいな、なんて妄想してノートの端に何パターンも婚姻後の名前を書いたりしても、表に出てこなければ別にどうということはないですよね。表に出ればちょっと引かれるかもしれませんし、あるいは相思相愛であることがわかって、とにかく物事が動くでしょう。別の例えだと市役所で婚姻届をもらってきて、相手方には結婚する意思がないにもかかわらず、相手方の名前を記載するなどして、結婚した気分を味わうという行為をした場合でも、表に出なければどうということはないです。婚姻届の偽造の罪における行使の目的というのは、例えば市役所にそれを提出しようとする目的で、私的に楽しむ目的は含まれないのです。
(4)具体的な罪の簡単な説明
今まで述べたことから、次のように整理されます。
まず、行使の目的で、御璽、国璽、御名(面倒なのでこの3つをこの項では「御名御璽」といいます。)を偽造した人は、御璽等偽造罪に問われます。
次に、(本物の)御璽御名を不正に用いた人、そして(偽造した)御名御璽を用いた人は、御璽等不正使用罪に問われます。本物の御名御璽を不正に用いるのって相当ハードル高いですけどね。革命でも起きているんでしょうか。
ここまでが刑法164条。次に刑法154条を整理します。
まず、行使の目的で、(本物の)御名御璽を用いて詔書等を偽造した人、(偽造した)御名御璽を用いて詔書等を偽造した人は、詔書等偽造罪に問われます。本物の御名御璽を用いて詔書を作成するのも相当ハードル高いですけどね。クーデターでも起きているんでしょうか。
そして、御名御璽を用いて作成された詔書を変造した人は詔書等変造罪に問われます。
(5)その他の罪との関係
例えば偽造した詔書で内乱を起こせば内乱罪、偽造した詔書で詐欺を働けば詐欺罪などなど、その他の保護法益を犯せばその他の罪も成立しえます。
内乱罪については、別の記事でも書いているので御覧ください。
2 詔書偽造・御璽偽造で逮捕起訴されたらどうなる?
(1)逮捕後
詔書偽造・御璽偽造が発覚すれば、逃亡のおそれがあるか、罪証隠滅のおそれがあるかなどを考慮して、逮捕の可能性もあります。というより後で述べるとおり、結構重たい罪なので、逮捕される可能性は予想より高いでしょうね。
逮捕された場合、ほぼ間違いなく勾留されて取調べを受けることになります。
司法警察職員が逮捕した後は48時間以内に検察庁に送られ、そこから24時間以内に勾留請求されます。
勾留は10日間が原則ですが、捜査上の必要性があり、身柄を拘束しなければ逃亡や罪証隠滅のおそれがある場合には、最長10日間、例外的に延長することができます。
この間、接見禁止命令がつけば、勾留中、弁護人以外に外部の人と会うことはできないと考えてください。
なお、弁護人が確実につくのは勾留以後ですが、逮捕されたらすぐに「当番弁護士を呼んでください。」と言いましょう。詔書偽造や御璽偽造の勉強も司法試験の範囲ですから、最寄りの弁護士会から弁護士が派遣されて、誰が来てもそれなりにアドバイスしてくれると思います。(やってきた弁護士が尊王派の志士であったとしても、刑事弁護は刑事弁護できっちりやってくれます。それが弁護士です。でも皇道派だったら命の保証はないかもしれない。)
取調べの対応ですが、基本的には黙秘してください。どんな立派な御璽や詔書が偽造できたとしても、捜査機関に自慢したってしょうがありません。反省してください。無実ならとりわけ黙秘が大事です。
(2)罰条と裁判
かなり意外なのですが、御璽等偽造罪、御璽等不正使用罪は、2年以上の有期懲役なんですね。最長20年です。20年! 不敬罪加算でもあるのかってくらい重たいですね。刑法がどれだけ天皇の文書を重視しているのかわかります。まあ、国政にも関わりますからね……でも、そんなに実害が生じることはあるんでしょうかね……。よくわかりませんが。
そしてもっと意外なのは詔書等偽造罪、詔書等変造罪ですが、な、な、なんと無期懲役、又は3年以上の懲役です。
無期懲役がありうるということは、裁判員裁判の対象事件ということです!
裁判員の中に尊王派や皇道派が(以下略)。
なお、偽造した御名御璽、詔書などは没収されると思います。
あと、保釈はもしかしたら通るかもしれませんね。諦めずに頑張りましょう。
3 法廷闘争の方針
(1)黙秘
黙秘が一番大事です。
(2)無期懲役の回避
できれば無期懲役は回避したいですよね。まあ、無期懲役になるようなケースってそんなに想定できませんけど……。
まずは天皇陛下に宛てた謝罪文を書きましょう。便箋は拘置所で買ってください。ただ、天皇陛下が被害者の罪ではないので、あんまり効果はないと思いますが、やらないよりマシです。天皇陛下に謝罪しなきゃいけない人って死んでお詫びするイメージですが、令和の世の中ですから死ぬ必要はありません。しっかり罪を償って社会復帰しましょう。
謝罪文のイメージですが、文例がないんですよね。書く時はきっちりと天皇陛下にふさわしい最高敬語を使うようにしましょう。謝罪文ではないですが、天皇陛下に当てた文章として田中正造の直訴文があります。田中正造が足尾銅山鉱毒事件で直訴したときの文章です。書き出しから「草莽ノ微臣 田中正造 誠恐誠惶頓首頓首 謹テ奏ス」ですからね。簡単には真似できないと思いますが頑張りましょう。ちなみにこの文章の素案を書いたのは田中正造ではなく幸徳秋水です。無政府主義あるいは共産主義者ですが、非常に教養があればこういう文書も書けるわけですね。
4 処罰されないために
(1) 自首?
自首しても減刑は絶対ではありませんが、まあかなり軽くなる可能性は高まりますね。
(2) 天皇になる?
どうにかこうにかして皇位を簒奪(さんだつ)し、天皇になることを思いつく人もいるでしょう。実現できれば、自分の印鑑(=御璽)、自分の署名(=御名)を用いたり、詔書も作り放題ですかね。いや半分上手くいかず、半分上手くいくでしょう。というのは、御璽御名は天皇ですら自由に押しまくれる、書きまくれるものではありません。日本国憲法に基づき内閣の助言と承認を得ながら用い、文書を作成する必要があるのです。そうすると、私の解釈では御璽偽造、詔書偽造は天皇にも成立しえます。その意味では罪の成立を回避することはできないのです。
他方で、半分うまくいくと言ったのは、天皇に即位すれば、そもそも訴追されないからです。というのは、皇室典範では摂政が訴追されないとする規定があるのですが、摂政は天皇の代理人にすぎません。その代理人ですら訴追されないので、天皇が訴追されるはずがないのです。
頑張って皇位を簒奪しましょう。ちなみに天皇に成り代わるという刑罰を回避するためのライフハックは他のすべての犯罪についても有効です。まあ私も含めて国民があなたを新しい天皇と認めるかどうかは甚だ疑問ですが。
このことについては、書いた記事「天皇・皇族が裁判を起こせるか?」もありますので、もしよければ御覧ください。
5 詔書偽造・御璽偽造の実例
直接、詔書等偽造、御璽等偽造で有罪になったという裁判例は(戦後のものは)見当たりませんでした。戦前は調べていません。
関連事件として、大阪地方裁判所昭和60年3月5日決定(判例タイムズ556号217頁)があります。面白いので、全文末尾の載せておきます。
簡単に紹介すると、天皇制を風刺したパロディビラに御名御璽を書いた活動家が捜索差押を受けた事件です。このパロディビラがあまりに御名御璽が使用されるはずのない文章・内容だったため、裁判所は、御名御璽を模したからと言って、誰もこれが「天皇陛下の文書だ!」と思うはずがないので、御名御璽不正使用が成立するはずがないとして、捜索差押を違法と結論しました。捜索差押が違法になること自体珍しいですが、御名御璽不正使用が裁判で争われた事件としても興味深いです。
6 まとめ
いかがでしたでしょうか。詔書偽造、御璽偽造についてご理解いただけたでしょうか。
日常的にやってしまいがちな御名御璽の偽造かもしれませんが、ぜひとも注意して日常生活を送ってください。
7 付録:裁判例(抜粋)
大阪地方裁判所昭和60年3月5日決定(判例タイムズ556号217頁)から抜粋。太字にしたのは引用者である。
「(前略)
二 当裁判所の判断
1 一件記録によると、大阪簡易裁判所裁判官は、昭和五九年一二月二七日、司法警察員の請求に基づき、被疑者不詳に対する御名御璽偽造被疑事件について、別紙(一)1ないし5記載の場所を捜索すべき場所とする五通の捜索差押許可状を発付したこと、右各許可状には、被疑事実の要旨として、「被疑者氏名不詳らは、WRⅠ日本部(戦争抵抗者インターナショナル日本部)の構成員又は同調者であるが、共謀の上、天皇陛下に関する誹謗図画を散布し、不特定多数人に踏絵させることを企て、昭和五九年一二月中ごろ某所において、天皇陛下の顔写真入りのはがき大のビラに、天皇陛下の御名である「裕仁」の署名及び御璽を記した文書を転写登載し、もつて御名御璽を偽造したものである。」との事実が記載されている
(中略)
以上