読書メモ 『世界と比べてわかる日本の貧困のリアル』

石井光太の『世界と比べてわかる日本の貧困のリアル』を読んだ。 (筆者名は筆者のTwitterアカウントに飛びます。) 本書は、住居、教育、労働といった8つの視点で、海外の貧困と比較ながら、日本の貧困の実相を明らかにしよう … “読書メモ 『世界と比べてわかる日本の貧困のリアル』”の続きを読む

読書メモ:森まゆみ『暗い時代の人々』 どうしてこの題名にしたのか?

森まゆみさんの『暗い時代の人々』の感想。   『暗い時代の人々』という題名の本はもう1冊ある。ハンナ・アーレントの評伝集だ。アーレントの『暗い時代の人々』は第二次世界大戦前後の全体主義の世紀である「暗い時代」に … “読書メモ:森まゆみ『暗い時代の人々』 どうしてこの題名にしたのか?”の続きを読む

映画「アニアーラ」ネタバレ感想ーー驚きを失った社会の末路

映画「アニアーラ」を観た。ネタバレが含まれるので注意してほしい。   火星に向けて8000人の客を乗せた巨大宇宙船「アニアーラ」が出発したが、程なくトラブルに見舞われ、漂流することになる。 船内には希望や絶望が … “映画「アニアーラ」ネタバレ感想ーー驚きを失った社会の末路”の続きを読む

読書メモ『世界史を大きく動かした植物』

稲垣栄洋の『世界史を大きく動かした植物』を読んだ。 著者は『生き物の死にざま』といった本も出しており、変わった切り口で、動植物の生態を描くことで知られている。 著者の本は、学者らしく文章が明晰で簡にして要を得る記述なので … “読書メモ『世界史を大きく動かした植物』”の続きを読む

「疑わしきは被告人の利益に」から受け取る人生訓

「疑わしきは被告人の利益に」という言葉がある。無罪原則や利益原則とも呼ばれる。 ずいぶんと昔からある原則のようで、Wikipediaではハンムラビ法典にも書いているそうだ。ホントかは裏をとっていないが。 また、この言葉の … “「疑わしきは被告人の利益に」から受け取る人生訓”の続きを読む

読書メモ 「労働組合像の交錯 戦後初期日本の労働運動と共産主義」『社会主義の世紀』

日本の労働組合には2つのおおよそ否定的な評価がつきまとう。 (1)「反戦」「平和」といった政治活動をしている結果、現在では活動が低調である。 (2)日本共産党の政治闘争に巻き込まれた結果、現在では活動が低調である。 この … “読書メモ 「労働組合像の交錯 戦後初期日本の労働運動と共産主義」『社会主義の世紀』”の続きを読む

読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年

私は手塚治虫の『火の鳥』が好きだ。特に鳳凰編が好きで、何度も繰り返し繰り返し読んでいる。 主人公が「なぜ生きものは死なねばならぬのか?」「いや…なぜ生きるのか?」「死ぬために生きるのか?」と問うシーンがある。中盤の名シー … “読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年”の続きを読む

【ネタバレあり】映画「グラン・トリノ」感想・考察ーークリント・イーストウッド監督の名作

クリント・イーストウッド監督が2008年に公開した映画「グラン・トリノ」を観た。日本で公開されたのは2009年で、このときも感動したが、今回も感動した。   あらすじ 映画のあらすじはWikipediaにも詳し … “【ネタバレあり】映画「グラン・トリノ」感想・考察ーークリント・イーストウッド監督の名作”の続きを読む

読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第2章 ブリテン帝国の劇場――「ユートピア」から「ビヒモス」へ)

木村俊道著『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』2020,風行社を入手した。さらっと読んだが面白そうだったので、読書メモを所感とともに記す。ページ数は全て本書のものである。 第1章に引き続き第2章へ 第2 … “読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第2章 ブリテン帝国の劇場――「ユートピア」から「ビヒモス」へ)”の続きを読む

読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第1章 帝国の思想史)

木村俊道著『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』2020,風行社を入手した。さらっと読んだが面白そうだったので、読書メモを所感とともに記す。ページ数は全て本書のものである。 まず第1章から。 第1章 帝国 … “読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第1章 帝国の思想史)”の続きを読む