及川智早『日本神話はいかに描かれてきたかーー近代国家が求めたイメージ』

日本神話は様々なイラストで描かれてきた。その描かれ方から当時の日本の雰囲気が分かる。 日本神話と天皇制の関係 国会で「日本の国、まさに天皇を中心とした神の国であるぞ」とのたまった元首相がいた。戦前の話ではない。平成の話で … “及川智早『日本神話はいかに描かれてきたかーー近代国家が求めたイメージ』”の続きを読む

宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』 読書メモ

弁護士会でよく耳にする言葉が「少年には可塑性がある」というものだ。少年という単語は法律界の言葉遣いでは少女も含む。可塑性は力を加えれば形を変える性質のこと。打てば響くし、良い子にしようとすれば良い子になる。どうしようもな … “宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』 読書メモ”の続きを読む

【ネタバレ注意】「おおかみのおなかのなかで」考察 福祉国家の投影

ちょっと前に関西弁に翻訳した絵本「どこいったん」「ちがうねん」「みつけてん」の帽子3部作が人気を博したジョンクラッセン。 最近、「おおかみのおなかのなかで」という作品を新しく読んだ。原作はマック・バーネット。ネタバレがあ … “【ネタバレ注意】「おおかみのおなかのなかで」考察 福祉国家の投影”の続きを読む

「だいくとおにろく」の法的考察

先日「だいくとおにろく」という絵本を読んだ。 1 あらすじ 大きな川に大きな橋を作る依頼をうけた大工が「どうやって架けよう」と悩んでいた。 すると川の中から鬼が現れ、「俺が橋をかけよう。報酬はお前の目玉だが良いか?」と聞 … “「だいくとおにろく」の法的考察”の続きを読む

中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』

1967年に1刷、私が購入したときは128刷である。どれだけ多くの日本人がこの本を手にしたのか。 上下に対する強い意識 日本の集団は努力すれば(あるいは我慢すれば)集団内部で上位にいくことが可能な構造になっている。中学・ … “中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』”の続きを読む

早島大祐『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』

徳政令とはざっくりいうと借金を帳消しにする命令だ。悪徳高利貸しからの取り立てに困り果てた貧しい農民を救う、そういうイメージがあった。 早島大祐の『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』を読むと、このイメージは浅はか … “早島大祐『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』”の続きを読む

水上勉『禅とは何かーーそれは達磨から始まった』

水上勉の『禅とは何かーーそれは達磨から始まった』を読んだ。 達磨から始まって、禅を伝えていった人々の歴史が、ほぼ紀伝体で書かれている。 有名どころだと、臨済、道元、一休、白隠など。 それぞれの禅宗坊主の生き方のユニークさ … “水上勉『禅とは何かーーそれは達磨から始まった』”の続きを読む

水島広子『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方』

水島広子『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方』を読んだ。   傷つきやすい子どもに読んでほしい 10代の心は傷つきやすい。 友達とのちょっとしたLINE。親の一言。テストの点数の上がり下がり。 気に … “水島広子『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方』”の続きを読む