読書メモ 『奴隷のしつけ方』

ジェリー・トナー著(橘明美訳)の『奴隷のしつけ方』を読んだ。 マルクス・シドニウス・ファルクスという架空の古代ローマ貴族が記した体裁になっているのが面白い。   個人的に印象に残ったエピソードを3つ。 &nbs … “読書メモ 『奴隷のしつけ方』”の続きを読む

読書メモ 韓非子・説林(「逆鱗」の出典)から受け取る処世術

新釈漢文大系の11巻「韓非子」で説難(ぜいなん)を読んだ。説難自体は、司馬遷の史記の老子韓非列伝にもかなり長く引用されている。   1 説難は逆鱗の出典 説難は一般的には、逆鱗という熟語の出典として有名ではない … “読書メモ 韓非子・説林(「逆鱗」の出典)から受け取る処世術”の続きを読む

読書メモ 『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』

高野秀行の『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』を読んだ。 世界各地の思いもよらない料理の紹介本。   ゴリラやピラニア、エイにサメといったイメージしやすい食材も紹介される中、 モルモットにヤギの消化物といった … “読書メモ 『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』”の続きを読む

読書メモ『世界史を大きく動かした植物』

稲垣栄洋の『世界史を大きく動かした植物』を読んだ。 著者は『生き物の死にざま』といった本も出しており、変わった切り口で、動植物の生態を描くことで知られている。 著者の本は、学者らしく文章が明晰で簡にして要を得る記述なので … “読書メモ『世界史を大きく動かした植物』”の続きを読む

読書メモ 『土葬の村』高橋繁行

ムスリム墓地で明らかになった日本人の差別意識 大分県の日出町はイスラム教徒の墓地問題で揺れている。 別府ムスリム教会が日出町に設置しようとした土葬墓地について住民が風評被害を恐れて設置反対の運動を起こし、町議会が設置反対 … “読書メモ 『土葬の村』高橋繁行”の続きを読む

読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年

私は手塚治虫の『火の鳥』が好きだ。特に鳳凰編が好きで、何度も繰り返し繰り返し読んでいる。 主人公が「なぜ生きものは死なねばならぬのか?」「いや…なぜ生きるのか?」「死ぬために生きるのか?」と問うシーンがある。中盤の名シー … “読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年”の続きを読む

下川耿史監修『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』

下川耿史監修の『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』を読んだ。   最近、Twitterでフェミニズムに言及した主張を読むことが多い。中には自称フェミニストの域を出ていない人のものもあれば、至極もっともだと … “下川耿史監修『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』”の続きを読む

カルロス・ゴーンから褒章を剥奪しろ! 勲章褫奪令のあれこれ

カルロス・ゴーンは褒章受章者だった 今日の日経新聞を読んで知ったが、カルロス・ゴーンは平成16年に外国人経営者としては初めて藍綬褒章を受章していた。 内閣府によると、藍綬褒章は「会社経営、各種団体での活動等を通じて、産業 … “カルロス・ゴーンから褒章を剥奪しろ! 勲章褫奪令のあれこれ”の続きを読む

刑事弁護人として損害賠償命令にどう対応するか

否認事件、すなわち被告人が自分の罪を認めていない刑事事件では、犯罪被害者と被告人に鋭い対立関係が生じうる。犯罪被害者と弁護人も同じだ。弁護人は徹頭徹尾被告人の味方だからである。犯罪被害者からすれば、敵の味方は敵であろう。 … “刑事弁護人として損害賠償命令にどう対応するか”の続きを読む

芸能人と不祥事・芸人達の闇営業・記録抹消刑――ダムナティオ・メモリアエ

お笑い事務所の吉本に所属している芸人達が世間を騒がせている。反社会勢力に闇営業をしていたというのだ。闇営業とは事務所を通さずに仕事をすることだ。 闇営業をされると事務所は芸人の仕事から報酬を受け取ることができない。芸人の … “芸能人と不祥事・芸人達の闇営業・記録抹消刑――ダムナティオ・メモリアエ”の続きを読む