読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第1章 帝国の思想史)

木村俊道著『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』2020,風行社を入手した。さらっと読んだが面白そうだったので、読書メモを所感とともに記す。ページ数は全て本書のものである。 まず第1章から。 第1章 帝国 … “読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第1章 帝国の思想史)”の続きを読む

本の感想 『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた――あなたがあなたらしくいられるための29問』明石書店、2019

『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた――あなたがあなたらしくいられるための29問』を読んだ。 「ジェンダー研究のゼミに所属している」学生たちが、 そのことゆえに友人・知人から投げかけられた さまざまな「問い」に悩 … “本の感想 『ジェンダーについて大学生が真剣に考えてみた――あなたがあなたらしくいられるための29問』明石書店、2019″の続きを読む

本の感想 『サクッとわかるビジネス教養 地政学』奥山真司、新星出版社、2020

『サクッとわかるビジネス教養 地政学』奥山真司、新星出版社、2020を読んだ。   地政学とは「国の地理的な条件をもとに、他国との関係性や国際社会での行動を考える」アプローチ(本書p.16)である。 どうして日 … “本の感想 『サクッとわかるビジネス教養 地政学』奥山真司、新星出版社、2020″の続きを読む

【ネタバレあり】きづきあきら・サトウナンキ『さよならハルメギド』の感想・考察

土曜日に一気読みして暗い気持ちになった作品。きづきあきら先生・サトウナンキ先生の『さよならハルメギド』(全3巻)である。 大人の都合で不安な境遇におかれている子どもたちが、互いに友情や淡い恋愛を育んでいくものの、子どもの … “【ネタバレあり】きづきあきら・サトウナンキ『さよならハルメギド』の感想・考察”の続きを読む

サンドラ・ヘフェリン『体育会系 日本を蝕む病』を読みました。

体育会系。この言葉を私は呪う。その暴力性故である。 体育とは体を育てると書く。体育自体は多いに結構なことだ。人はこの肉に縛られて生きていかざるを得ないから。体育は生きることと密接に関わる営みである。 他方、人は肉のみに生 … “サンドラ・ヘフェリン『体育会系 日本を蝕む病』を読みました。”の続きを読む

おおたとしまさ『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる⼦どもたち』

おおたとしまさ『ルポ教育虐待―毒親と追いつめられる子どもたち』を読んだ。 「あなたのため」 あなたのためという言葉ほどお節介な言葉はない。大人同士の会話であれば「あなたのため」と言われると警戒するのが普通の感覚であろう。 … “おおたとしまさ『ルポ教育虐待 毒親と追いつめられる⼦どもたち』”の続きを読む

及川智早『日本神話はいかに描かれてきたかーー近代国家が求めたイメージ』

日本神話は様々なイラストで描かれてきた。その描かれ方から当時の日本の雰囲気が分かる。 日本神話と天皇制の関係 国会で「日本の国、まさに天皇を中心とした神の国であるぞ」とのたまった元首相がいた。戦前の話ではない。平成の話で … “及川智早『日本神話はいかに描かれてきたかーー近代国家が求めたイメージ』”の続きを読む

宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』 読書メモ

弁護士会でよく耳にする言葉が「少年には可塑性がある」というものだ。少年という単語は法律界の言葉遣いでは少女も含む。可塑性は力を加えれば形を変える性質のこと。打てば響くし、良い子にしようとすれば良い子になる。どうしようもな … “宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』 読書メモ”の続きを読む

中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』

1967年に1刷、私が購入したときは128刷である。どれだけ多くの日本人がこの本を手にしたのか。 上下に対する強い意識 日本の集団は努力すれば(あるいは我慢すれば)集団内部で上位にいくことが可能な構造になっている。中学・ … “中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』”の続きを読む

早島大祐『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』

徳政令とはざっくりいうと借金を帳消しにする命令だ。悪徳高利貸しからの取り立てに困り果てた貧しい農民を救う、そういうイメージがあった。 早島大祐の『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』を読むと、このイメージは浅はか … “早島大祐『徳政令 なぜ借金は返さなければならないのか』”の続きを読む