読書メモ 「労働組合像の交錯 戦後初期日本の労働運動と共産主義」『社会主義の世紀』

日本の労働組合には2つのおおよそ否定的な評価がつきまとう。 (1)「反戦」「平和」といった政治活動をしている結果、現在では活動が低調である。 (2)日本共産党の政治闘争に巻き込まれた結果、現在では活動が低調である。 この … “読書メモ 「労働組合像の交錯 戦後初期日本の労働運動と共産主義」『社会主義の世紀』”の続きを読む

読書メモ『倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史』渡邊大門

新年あけましておめでとうございます。 新年早々ですが渡邊大門の『倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史』(Amazonの頁に飛びます。)を読んだ。 1 著者について 渡邊先生は日本史の学者だ。よくネットニュースに記事を投稿され … “読書メモ『倭寇・人身売買・奴隷の戦国日本史』渡邊大門”の続きを読む

読書メモ 『気象は戦争にどのような影響を与えたか 近現代戦に見る自然現象と戦場の研究』熊谷直

「風雨に乗じて敵に気が付かれないように接近し、一気に襲い掛かり、混乱する敵を打ち破る。」 「霧のかかった戦場で、蹄の音がし始め、突如として姿を表した騎馬隊が敵兵を蹂躙する。」   ドラマや映画の戦場のシーンでは … “読書メモ 『気象は戦争にどのような影響を与えたか 近現代戦に見る自然現象と戦場の研究』熊谷直”の続きを読む

読書メモ 『言論抑圧 矢内原事件の構図』将基面貴巳

「身体ばかり太って魂の痩せた人間を軽蔑する。諸君はそのような人間にならないように」 東京帝国大学経済学部教授にして、戦後、東大総長にもなった矢内原忠雄の言葉である。 戦前、大学を辞職せざるを得なくなった矢内原が「最後の講 … “読書メモ 『言論抑圧 矢内原事件の構図』将基面貴巳”の続きを読む

読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年

私は手塚治虫の『火の鳥』が好きだ。特に鳳凰編が好きで、何度も繰り返し繰り返し読んでいる。 主人公が「なぜ生きものは死なねばならぬのか?」「いや…なぜ生きるのか?」「死ぬために生きるのか?」と問うシーンがある。中盤の名シー … “読書メモ 小林武彦『生物はなぜ死ぬのか』講談社現代新書,2021年”の続きを読む

読書感想文 森本あんり『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』新潮選書

森本あんりの『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』を読んだ。 アメリカが独立する以前の植民地時代に活躍したロジャー・ウィリアムズという筋金入りの変人を中心に、「寛容」を考察している。 日本人は寛容か 私は常々感じて … “読書感想文 森本あんり『不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学』新潮選書”の続きを読む

カルタゴ農法の元ネタと大カトーについて雑記。

カルタゴ農法 除草のために自分の持ち家に塩をまいた男性が話題になった。 また、天穂のサクナヒメという稲作シミュレーションゲームで、除草効果に期待して塩を田に撒くプレイも話題になった。 Twitterでは「カルタゴ農法」と … “カルタゴ農法の元ネタと大カトーについて雑記。”の続きを読む

山高水長の話し

山高水長(さんこうすいちょう)という言葉がある。 書き下すと「山高く水長し」となる。これは故人の遺風が偉大であったことを示す言葉である。 出典は范仲淹の「厳先生祠堂記」の最後に載る歌だ。 雲山蒼蒼 江水泱泱 先生之風 山 … “山高水長の話し”の続きを読む

下川耿史監修『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』

下川耿史監修の『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』を読んだ。   最近、Twitterでフェミニズムに言及した主張を読むことが多い。中には自称フェミニストの域を出ていない人のものもあれば、至極もっともだと … “下川耿史監修『教科書が教えてくれない 18禁の日本史』”の続きを読む

読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第2章 ブリテン帝国の劇場――「ユートピア」から「ビヒモス」へ)

木村俊道著『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』2020,風行社を入手した。さらっと読んだが面白そうだったので、読書メモを所感とともに記す。ページ数は全て本書のものである。 第1章に引き続き第2章へ 第2 … “読書メモ 『想像と歴史のポリティクス――人文主義とブリテン帝国』(第2章 ブリテン帝国の劇場――「ユートピア」から「ビヒモス」へ)”の続きを読む